競艇におけるフライングの仕組みとルールを解説
競艇のレースでは、フライングが発生すると選手や観客、さらには舟券を購入した方にもさまざまな影響があります。ここではフライングの基本的なルールや仕組みについて整理します。
競艇のスタート方式とフライングの定義
競艇のスタートは「フライングスタート方式」と呼ばれ、決められた時間内にスタートラインを越える必要があります。スタート時にはピットを離れたあと、選手たちは一定の助走を経て、スタートラインを目指してタイミングを合わせます。
このスタートで、定められた時刻よりも早くスタートラインを通過した場合「フライング」となり、レースから除外されます。また、スタートタイミングが遅すぎる場合は「出遅れ」として扱われます。フライングはルール違反とみなされ、レースの結果や舟券の払い戻しにも大きく影響する要素です。
フライングが発生する具体的な条件
フライングが発生する主な条件は、スタート時の「ゼロ秒」を基準とし、その瞬間より前にスタートラインを通過した場合です。たとえば、決められたカウントダウンが「0」となった瞬間、もしくはそれより前に物理的にラインを越えてしまうとフライングと判定されます。
また、スタート判定装置によって、各選手のスタートタイミングが自動的に計測されています。選手はギリギリのタイミングを狙うため、ほんのわずかな時間差でフライングとなる場合もあります。選手同士の駆け引きやスタート練習の成果が問われる場面です。
出走表でのフライング履歴の確認方法
競艇の出走表では、選手ごとのこれまでのフライング回数を確認することができます。出走表の「F」や「L」の欄に数字で記載されており、「F」はフライング、「L」は出遅れの履歴を示しています。
具体的には、下記のような表記が見られます。
| 選手名 | F（フライング） | L（出遅れ） |
|---|---|---|
| 山田太郎 | 1 | 0 |
| 鈴木一郎 | 0 | 1 |
この情報を参考にすることで、過去にフライングが多い選手や、スタートに不安のある選手を一目で把握できます。
フライング発生時のペナルティと休み期間の詳細
フライングをすると、選手にはさまざまなペナルティが科せられます。ここではフライング休みや追加の罰則、さらに特別なケースについて詳しく見ていきましょう。
フライング休みの仕組みと期間について
選手がフライングすると、一定期間レースに出場できない「フライング休み」となります。フライング1回ごとに、通常30日間の出場停止が科せられるのが一般的です。フライングの回数が増えるほど休み期間も長くなり、2回で60日、3回で90日というように加算される場合もあります。
この休み期間中は、すべての競艇レースへの出場が認められません。選手はスタートのリスクを考えながらも、フライングを避けるために慎重なレース運びをしなければならなくなります。休み明けの調子やモチベーションも予想のポイントになります。
事故点や賞典除外などの追加ペナルティ
フライングには出場停止だけでなく、「事故点」の加算や「賞典除外」といった追加のペナルティもあります。事故点とは、競技中の違反や事故によって記録される点数で、一定以上に達すると大きな賞典レースへの出場資格を失います。
また、賞典除外は、フライングをしたレースのシリーズにおいて、例えば優勝戦や準優勝戦などの特別レースに出場できなくなる措置です。そのため、選手にとっては大きなモチベーションダウンにつながります。事故点や賞典除外の有無は、出走表や番組表でも確認できます。
非常識なフライングと即日帰郷の違い
通常のフライングとは別に、「非常識なフライング」と呼ばれる重い違反も存在します。これは、明らかに早すぎるスタートや、複数艇が同時に大きくフライングした場合などに適用され、即日帰郷（その日のうちにレース会場から退出）を命じられることもあります。
一方で、通常のフライングなら出場停止期間のみが科せられますが、非常識なフライングでは追加の処分や長期間の出場停止になる場合があります。即日帰郷の判断は主催者によって行われ、再発防止のためにも厳格に運用されています。
フライングがレースや舟券に与える影響
フライングが発生すると、そのレース自体や舟券を購入した方に多くの影響が及びます。ここでは、舟券返還やレース不成立などのケースについて解説します。
フライング艇の舟券返還とオッズへの影響
フライングが発生した場合、その選手に関連する舟券はすべて「返還」となります。たとえば、1号艇がフライングすれば、その選手を絡めた舟券は払い戻し対象となります。ただし、フライング艇以外の組み合わせで的中している場合は通常通りの払い戻しが行われます。
また、フライングが発生すると、購入額が返還されるため、その分オッズが変動することもあります。人気選手がフライングした場合、レース前後で舟券の売り上げやオッズに大きな変化が生じます。このため、舟券購入時にはスタートの不安がある選手の有無も確認しておくと安心です。
レース不成立や返還金が発生するケース
フライングや出遅れの艇が複数同時に発生した場合、特定の条件下ではレース自体が「不成立」となることがあります。たとえば、3艇以上が同時にフライングした場合や、残った艇数が規定を下回った場合が該当します。
レース不成立となった場合は、購入した舟券がすべて返還対象となり、払い戻しが行われます。また、返還金は舟券の種類や組み合わせに関わらず、該当するものすべてが払い戻されます。下記にまとめます。
| ケース | 払い戻しの有無 |
|---|---|
| 1艇フライング | その艇関連舟券のみ返還 |
| 3艇フライング | レース不成立・全舟券返還 |
フライング回数による選手の進退リスク
フライングの回数が多くなると、選手としてのキャリアにも大きな影響が出てきます。同一期間内にフライングを繰り返すと、出場停止期間が延びるだけでなく、事故点の累積や賞典除外が重なり、出場機会が大きく減少します。
また、フライングが多い選手は、レース主催者からの信頼も低下し、番組編成や出場依頼が減少する傾向もあります。最悪の場合、選手登録の継続が難しくなることもあり、慎重なスタートが求められます。フライング回数は予想の際にも重要なチェックポイントです。
フライング情報を予想や舟券購入に活かすポイント
フライング履歴や休み明けの状況は、舟券予想においても大切な情報です。ここでは、予想や舟券購入時の活用法について紹介します。
フライング休み明け選手の傾向と狙い目
フライング休み明けの選手は、レース勘や体調に不安が残る場合があります。一方で、長期間レースから離れたことでリフレッシュして高いモチベーションで臨むケースもあります。
休み明け直後はスタートを慎重に切る傾向が強く、無理をしないレース展開になることが多いです。調子が戻るまで数レースかかる場合もあるため、舟券購入では「復帰2戦目以降」に注目してみると良いでしょう。休み明けの過去成績を比較するのも有効です。
隠れフライング持ち選手の見極め方
出走表や過去成績を見ていると、あまりフライング回数が目立たない「隠れフライング持ち」の選手がいます。これは、過去にペナルティを受けて以降、慎重すぎるスタートになっている場合などです。
また、直近の成績やスタートタイミングを細かく分析すると、ギリギリを攻めている選手や、スタートで大きく遅れる選手の傾向が見えてきます。下記のポイントに注目しましょう。
- 最近のスタートタイミングが平均より遅い場合
- 休み明け以降、着順が安定しない場合
- 事故点が直近で増加している場合
期末や特別レースでのフライングリスク分析
期末や賞金がかかった特別レースでは、選手が緊張しやすく、普段よりフライングリスクが高まる傾向にあります。たとえば、賞金争いや昇格・降格がかかるタイミングでは、スタートで前に出ようとする意識が強く働きます。
しかし、その分フライングのリスクも増します。これらのレースでは、過去に同様の場面でフライング歴がある選手や、スタート事故が多い選手を避ける戦略が有効です。期末や特別レースの際は、出走表や直近のレースコメントもチェックしましょう。
まとめ：競艇フライングのルールと予想への活用法を正しく知ろう
競艇におけるフライングは、選手やファン、舟券購入者にとって切り離せない要素です。フライングのルールやペナルティを正しく理解することで、より納得感のある予想や舟券選びができるようになります。
出走表でのフライング履歴確認や、休み明け・特別レースでの傾向分析など、具体的な情報の活用が的中率アップにつながります。ぜひ本記事を参考に、今後の競艇予想や舟券購入に役立ててみてください。
