競艇選手は本当に稼げないのか収入の実態を解説
競艇選手は「稼げる職業」として注目されがちですが、実際の収入やその安定性については知られていないことも多いです。ここでは競艇選手の収入の仕組みや実態について詳しく解説します。
競艇選手の収入は賞金が中心
競艇選手の主な収入源は、各レースで獲得する賞金です。一般的なサラリーマンのような固定給ではなく、レースでの成績によって得られる金額が大きく変わります。勝てば高額な賞金が得られるものの、思うように成績が出ない場合は収入が少なくなることもあります。
また、競艇のレースは1年を通じて全国各地で開催されているため、年間に多くのレースに出場できます。ただし、出場するには選手ごとの出走権が必要で、全てのレースに参加できるわけではありません。勝ち続けることで出場機会が増え、収入も増える傾向にあります。
月給制ではないため安定収入は難しい
競艇選手には月給制がなく、毎月決まった金額が支払われることはありません。そのため、レースで勝てないと収入が大きく減ってしまうリスクがあります。特にデビューしたばかりの若手選手や成績が安定しない選手は、思うような収入を得られないことも珍しくありません。
また、レースに出場できなかった月は、収入がゼロになることもあります。体調不良や事故などで欠場が続くと、収入面での不安が増します。安定した生活を維持するためには、着実に成績を残し続ける努力が必要です。
賞金以外の手当や副収入も存在する
競艇選手には、賞金以外にもいくつかの手当や副収入の機会があります。たとえば、レースに参加するごとに支給される「出走手当」や「交通費補助」などがあり、これらが生活費の一部を補う役割を果たしています。
また、人気選手になるとスポンサーによる広告出演料やイベント出演料などの副収入も得られる場合があります。ただし、これらは一部の上位選手に限られており、多くの選手にとっては賞金が主要な収入源となっています。
競艇選手の年収や賞金の仕組みを知ろう
競艇選手の年収は、階級やレースのグレードによって大きく異なります。また、レースで規則違反があった場合には収入が減少するリスクもあります。ここでは年収や賞金の仕組みについて解説します。
階級ごとの年収と賞金の違い
競艇選手は、A1・A2・B1・B2といった階級ごとに分かれています。この階級は、前期や後期の成績によって決まります。A1級はトップクラス、B2級は新人や成績が振るわない選手が多い傾向です。
A1級の選手は、年間で2,000万円以上の年収を得ることもあり、トップ選手になると1億円を超えるケースもあります。一方、B2級の選手の場合は、年収が300万円程度にとどまることも珍しくありません。下記のように階級ごとで年収の目安が異なります。
| 階級 | 年収目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| A1 | 2,000万円～1億円 | トップクラス。賞金大きい |
| A2 | 1,000万円前後 | 中堅クラス |
| B1/B2 | 300～800万円 | 新人や下位選手 |
レースのグレードによる優勝賞金の差
競艇のレースは、グレードによって優勝賞金が大きく異なります。SG（スペシャルグレード）やG1といった高いグレードのレースでは、優勝賞金が数千万円に達することもあります。逆に一般戦と呼ばれる通常のレースでは、優勝しても賞金は数十万円から数百万円程度です。
たとえば、日本で最も賞金が高い「グランプリ」では、優勝者に1億円以上の賞金が授与されます。このため、トップ選手は高収入を得るチャンスが多い一方で、一般戦や下位レースが中心の選手は、賞金額が限られてきます。自分の実力や成績によって、稼げる金額に大きな格差が生まれやすい特徴があります。
フライングや失格時の収入減少リスク
競艇では、フライングや失格などのルール違反をした場合、賞金が没収されたり、一定期間出場停止になるペナルティが科されます。これにより、せっかく獲得した賞金が受け取れないだけでなく、その後のレース出場機会も失われてしまう可能性が高いです。
特にフライングは、数ヶ月の出場停止になることもあり、その間は収入がゼロになってしまいます。また、罰則が重なると、最低ランクまで格下げされる場合もあるため、収入が不安定になりがちです。安定した収入を確保するためには、ルールを守ったレース運びが求められます。
競艇選手の出費や経費に関するリアルな事情
競艇選手は多額の賞金を得ることもありますが、その一方でさまざまな出費や経費もかかります。ここでは、レース参加に必要な費用や経費の実情について紹介します。
レース参加にかかる経費と必要な準備
競艇選手がレースに出場するためには、さまざまな準備や経費が必要です。たとえば、移動費や宿泊費はもちろん、ヘルメットやウェアなどの個人装備の購入・メンテナンスの費用も選手自身の負担となります。
また、競艇ではエンジンやボートは支給されますが、自分で調整するための工具やパーツの購入費用もかかります。加えて、レース会場への移動方法によっては交通費が高額になることもあり、年間を通してみると出費の総額は少なくありません。
罰金や保険料など競艇独自の出費
競艇選手には、レース中の違反やミスに対して科される罰金制度があります。たとえば、フライングや失格の際は高額な罰金が発生し、経済的な負担となります。
また、選手には万が一の事故に備えて保険への加入が義務付けられており、保険料も毎月支払う必要があります。こうした競艇特有の出費も、選手にとっては無視できない負担となっています。
収支バランスが厳しい選手の現状
収入に大きな波がある一方で、出費は継続的に発生します。そのため、成績が安定しない選手や下位の階級にとどまっている選手は、毎月の生活費や経費のやりくりに苦労することも多いです。
特に新人や若手のうちは大きな賞金を獲得する機会が少なく、経費だけがかさむケースもあります。収支バランスを保つために、普段から生活費を切り詰めたり、家族の協力を得ながら活動している選手も少なくありません。
競艇選手のセカンドキャリアと副業事情
競艇選手は現役で活躍している間は高収入を得られる場合もありますが、引退や収入減少後の生活設計も重要な課題です。現役引退後や副業についての実情を紹介します。
引退後の代表的なセカンドキャリア
競艇選手は40～50代で引退するケースが多く、引退後の進路もさまざまです。代表的なセカンドキャリアとしては、競艇関連の解説者や指導者として活動する道があります。また、ボートレース場の運営スタッフや、一般企業への転職を選ぶ選手もいます。
最近では、競艇の知識や経験を活かして、ボートレース予想や関連メディアでの執筆など、情報発信の分野で活躍する元選手も増えています。引退後も生計を立てるためには、現役時代からセカンドキャリアの準備が欠かせません。
副業で収入を補う選手たち
現役競艇選手の中には、副業で収入を補っている人もいます。副業の例としては、YouTubeやSNSを活用した情報発信、トークショーへの出演、スポンサー契約などが挙げられます。特に最近はインターネットを利用した副収入の選択肢が増えてきました。
また、レースに関する知識を活かして講演やセミナー講師を務める選手もいます。ただし、副業がレース活動に悪影響を与えないよう、時間配分や健康管理にも注意が必要です。
生活が苦しい選手が直面する課題
競艇選手は一部の上位選手を除き、生活の安定が難しい場合もあります。賞金に依存した収入構造のため、成績不振が続くと生活費の捻出すら厳しくなるケースも見られます。
また、怪我や事故による長期離脱や、引退後の再就職の難しさなど、現役選手や元選手が直面する課題は少なくありません。現実的な生活設計や早めの準備が、将来的な安心につながるポイントとなります。
まとめ：競艇選手は稼げないのか現実と夢の両面を知る
競艇選手は高額な賞金を獲得できる夢のある職業である一方、安定した収入や生活を得るには多くの努力と工夫が必要です。成績によって収入が大きく変動し、経費やリスクも無視できません。
勝ち続けてトップ選手になれば高収入を目指せますが、多くの選手が収支や将来への不安を抱えています。現実と夢の両方を知り、自分に合ったキャリア設計やリスク管理を心がけることが大切です。
