競艇で使われる用語「握る」とは何か

競艇では「握る」という言葉がよく使われますが、初めて観戦する方には分かりにくいかもしれません。ここでは「握る」の意味や使われる状況についてわかりやすく解説します。
握るの基本的な意味と由来
競艇における「握る」とは、ターンの際にハンドルを大きく切る操作を指しています。具体的には、スピードをできるだけ落とさずに、モーターボートのハンドルをしっかり握って旋回するアクションのことをいいます。もともとは「しっかりハンドルを握る」という意味から来ており、そこから転じて、思い切って外側から回る走法をまとめて「握る」と呼ぶようになりました。
この言葉は、単なる操作方法だけでなく、スピードを維持しつつコーナーを攻める積極的な姿勢も含んでいます。そのため、競艇ファンや関係者の間では頻繁に使われている表現です。専門的な用語ですが、知っておくと観戦がぐっと分かりやすくなります。
競艇レースで「握る」が使われる具体的な場面
「握る」という操作は、ターンマークと呼ばれるコーナー部分で多く見られます。特に内側の艇が進路をふさいでいる場合、外側の艇がスピードを保ちながら大きく旋回して内側を抜こうとする場面が典型的です。このとき、ハンドルを思いきり切ることから「握る」と表現されます。
また、外コースの選手が一発逆転を狙うときにも「握る」走法が用いられます。例えば、差しが難しいタイミングでは、握って大胆に回ることで、他艇より前に出ることを目指します。レース中継や解説で「ここで握る!」といったコメントが出た場合は、選手が積極的に外から攻めている証拠です。
「握る」が勝敗に与える影響
「握る」操作は、選手の技量や状況判断によってレースの流れを大きく変える要素となります。スピードを落とさずにターンを決められれば、そのまま一気に順位を上げることも可能です。一方で、握り過ぎてしまうと旋回が膨らみ、他の艇に差されるリスクも伴います。
つまり、「握る」は攻めの姿勢を象徴する反面、慎重さも求められる操作です。この絶妙なバランスを見極めることが、勝敗を分ける大きなポイントとなります。選手それぞれの握り方やタイミングに注目することで、レース観戦の楽しみも広がります。
全速ターンやモンキーターンと「握る」の関係

競艇レースの見どころの一つが、迫力あるターンテクニックです。「握る」だけでなく、「全速ターン」や「モンキーターン」など独自の操作も多く、レース展開を左右します。これらの関係や違いを整理してみましょう。
全速ターンと握るの違いと共通点
全速ターンとは、減速を最小限に抑えてターンマークを回るテクニックです。握る操作と全速ターンは似て見えますが、実際には少し違いがあります。握るは「ハンドルを大きく切って回る」ことを指し、全速ターンは「できるだけスピードを落とさない」ことを重視します。
共通点はどちらも高いコーナー技術を必要とし、見た目にも豪快で迫力がある点です。しかし、握るがやや外側を大きく回る傾向があるのに対し、全速ターンはコース取りや他艇との駆け引きによって、よりタイトに回ることもあります。どちらの操作も、選手の判断と技術が結果に直結します。
モンキーターンは握る操作の応用例
モンキーターンは、選手がハンドルを握ったままで体を大きく外側へ傾け、ボートの重心を内側に移動させながら旋回する技術のことです。この操作は、もともと握る走法の応用として発展しました。モンキーターンを使うことで、さらにスピードを保ったまま狭いコーナーを回れるのが特徴です。
このターンは難易度が高く、使いこなせる選手は限られています。しかし、成功すれば従来の握るよりも速く回れるため、上位争いで大きな武器となります。観戦の際は、モンキーターンを使う選手の身体の動きに注目すると、より深くレースを楽しむことができます。
それぞれのターンがレース展開に及ぼす影響
握る、全速ターン、モンキーターンは、それぞれレース展開に独特の影響をもたらします。握るは外から一気に順位を上げる際に有効で、全速ターンは接戦の中でわずかな差を作り出します。モンキーターンは、トップ争いの場面や混戦状態で力を発揮し、逆転のきっかけになることも多いです。
ターンごとの特徴を比較すると、下記のようになります。
ターン名 | 特徴 | 適した場面 |
---|---|---|
握る | 外側から大きく回る | 追い上げ、外コース |
全速ターン | スピード重視 | 接戦、内側有利 |
モンキーターン | 体重移動で速く回る | トップ争い、混戦 |
選手がどのターンを選ぶかによって、レースの流れや順位変動が生まれます。各ターンの特徴を知って観戦すると、さらにレースの奥深さを感じることができます。
競艇の握りマイやまくりの戦術解説

競艇には「握りマイ」や「まくり」といった戦術が存在します。これらはレースで勝ち抜くための重要な走法で、選手ごとに得意・不得意があります。それぞれの違いや使い方を見ていきましょう。
握りマイとはどんな走法か
握りマイは、ターンマークを大きく膨らませて外側から走る攻めの走法です。スピードを落とさず、ハンドルをしっかりと握って旋回することで、前を走る艇を一気に抜くことを狙います。握りマイは、特に外側のコースから内側を走る艇を追い抜きたいときに効果を発揮します。
この走法のポイントは、艇同士の位置関係とタイミングです。内側の艇がターンで膨らんだ隙を狙い、一気に外から抜く形になります。失敗すると、大きく外へ膨らんでしまい、逆に差を広げられるリスクもありますが、成功すれば派手な逆転劇が生まれるのが魅力です。
まくりと握るの違いと使い分け
まくりは、外側から一気に他艇を抜き去る戦法で、握りマイと似ている部分があります。しかし、まくりはより直線的な加速とコーナーでのスピード維持が重視される点が特徴です。一方で、握りマイはターンマークをしっかり大きく回ることで、他艇よりも早く立ち上がることを狙います。
使い分けとしては、内側の艇の状態やレース展開によって決まります。例えば、内側の艇がターンで遅れたり、膨らんだりした場合には握りマイが有効です。反対に、最初からスピード勝負に持ち込みたい場合は、まくりが選ばれることが多いです。状況に応じて柔軟に使い分けることが、上位進出へのカギとなります。
2コースや外コースからの握りマイ戦法
2コースや外コースの選手が握りマイを選ぶ理由は、内側を守る艇を一気に追い越すためです。特に1号艇がターンで膨らんだ場合や、2号艇より外側で自由にコースを取れる場合に握りマイは効果を発揮します。これにより、スタート時の不利をひっくり返すことも可能です。
また、外コースの選手が握りマイを狙う場合、他艇との位置取りやタイミングが重要になります。内側の艇が混戦になったときには、外から一気にまくるよりも、握りマイでじわじわと順位を上げる作戦が有効です。こうした戦術の違いを意識してレースを見ると、それぞれの選手の狙いが分かりやすくなります。
予想や観戦に役立つ握る選手の見極め方

競艇の予想や観戦では、握る走法を得意とする選手を見極めることがとても大切です。どの選手がどんなタイプなのかを理解すると、より深くレースを楽しめるようになります。
握る選手を見抜くためのポイント
握る走法が得意な選手にはいくつか共通点があります。まず、過去のレースで外側から積極的に攻めているかを確認しましょう。特に、コーナーで大きく回る場面や、外コースから順位を上げている場面が多い選手は握るタイプと言えます。
また、公式の選手コメントや予想記事で「攻めの走りを得意としている」「外から勝負を仕掛ける」と紹介されている場合も注目です。下記のようなポイントでチェックすると良いでしょう。
- 外コースでの成績が安定している
- コーナーでの追い抜きが多い
- スタートダッシュよりもターンでの逆転が多い
レース前の情報や展示走行で注目すべき点
レース前の展示走行では、選手のターンの仕方やスピードの落とし方などを観察できます。握るタイプの選手は、展示でも思い切ったターンを見せることがよくあり、スムーズなハンドルさばきや旋回の膨らみ具合に注目すると見分けやすいです。
また、モーターの調子や水面の状況も重要です。握るにはある程度の直線スピードと旋回力が必要なため、展示でのタイムやターンマークでの動きをよく観察しましょう。レース当日のコメントにも「思い切って攻めたい」「外から勝負する」といった表現があれば、握る戦法を狙っている可能性が高いです。
握る選手を予想に活かすコツ
握る走法の選手を予想で活かすには、コース位置や対戦相手との組み合わせがカギとなります。内側の艇がターンで膨らみやすい場合や、スタートが苦手な選手が多いレースでは、外から握る選手が有利になることが多いです。
予想の際には、展示走行の内容、コースの特性、選手の過去成績などを総合的にチェックしましょう。また、握る選手が複数いる場合、レース展開が波乱になることもあるため、オッズや舟券の買い方にも工夫が必要です。冷静に情報を整理することが、的中への近道となります。
まとめ:競艇の「握る」の理解で観戦と予想がもっと楽しくなる
競艇における「握る」は、単なる操作方法を超えて、レース展開や選手の個性を色濃く反映する重要な要素です。この言葉の意味や使われ方を理解することで、観戦時の楽しみや予想の精度がぐっと高まります。
「握る」というテクニックは、選手の判断力と技術が光る場面でもあり、レースごとに新たなドラマが生まれます。コース取りやターンの違い、選手の個性に注目して観戦すれば、競艇の奥深さをより実感できるでしょう。今後のレース観戦や予想の参考に、ぜひ「握る」についての知識を活用してみてください。