競艇の持ちペラ制度が廃止されてアウト屋がいなくなった?

船の時代

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ペラの良し悪しで勝負が決まった持ちペラ時代

持ちペラ制度が2012年4月に廃止される前は、プロペラは選手の持ち物で、自身で加工した持ち込み可能な5枚のペラをレースの状況に合わせて使えることになっていました。競艇では、モーターの性能や整備は勿論ですが、ペラの良し悪しが勝負を大きく左右します。かつてはペラの加工を専門業者に依頼して作り変えていた選手もいました。

しかし、資金力のある選手はそれも出来ますが、出来ない選手は独自に試行錯誤をしながらペラの調整に励み、何年もかけてその技術を身につけていきました。競艇の世界では、一人前にペラの加工ができるまでには4年かかると言われていましたから、そのために新人選手はベテラン選手に弟子入りし、その技術を習得するのが習わしになっていました。

一人では資金もなく技術もないので、仲のいい選手たちが集まって研究し合うペラグループを作り、技術の向上に励んできたのです。何も知らない新人女子選手が、ペラの加工を教えてもらうためにベテラン選手に弟子入りする漫画がありましたが、その中で選手間の厳しい上下関係も描かれていました。

しかし、その制度も8年前に廃止され、モーターとメーカーの違う2種類のペラが支給されるように変わったことからペラの加工技術よりもモーターの調整の方に重点が置かれるようになり、ペラの差は殆んど無くなりました。今ではペラの調整に金属のハンマーを使うことは禁止で、木製のハンマーを使った調整しか許されていません。そのようにルールが改正された背景には、公平を保つという考えもあったようですが、ペラの加工は公表されないことから、ファンが予想しにくいというのが最も大きな理由のようです。

アウト屋には苦しいルール改正

そうなると今まで伸び足重視のペラを使い、アウトからダッシュして豪快に捲るスタイルの選手が苦しくなりました。例え1号艇だとしてもレースでは自らアウトを選び、6コースからの捲り勝負に賭ける「アウト屋」と呼ばれる選手たちです。持ちペラ時代はそのような選手が数多くいましたが、ペラが支給されるようになった今では、出足も回り足も捨てて常にチルト3の伸び足で全速ターンの捲り勝負をする選手は少なくなりました。

伸び足よりもターンしやすい回り足を重視する選手が多くなったことからチルトも−0・5が多くなり、かつてのアウト屋で低迷している人たちもいます。ただ、今でもアウト屋に徹する阿波勝哉選手のチルト3からの大外捲りは健在です。

インを捨てて捲りに賭ける選手

どうして競艇は1コースが断然有利な競技なのに6コースに拘るのでしょう? 1コースの平均勝率は50%あるのに対して6コースの勝率は5%足らずですから勝てる確率はわずかです。それでも、その僅かなチャンスにすべてを賭けるアウト屋はとてもはファンに人気があります。特にチルト3の高速でコーナーを回るのは高度なテクニックが要求されるので、誰でもできるというものではありません。技術がなければほかの艇に接触したり、転覆の恐れもあるのです。

かつてアウト屋と呼ばれる選手たちは、ペラをハンマーで叩いて面積を大きくし、出足や回り足捨てても伸び足を重視した加工していましたが、今はそれが出来ないのでダッシュとチルトだけが頼りです。映像を見るとよく分かりますが、1マークの前から大きくインに切り込み、ほかの艇の前に引き波を作って前を遮るように大きく捲ります。先頭に出れば伸び足は他の艇より勝っているので誰も追いつけません。2マークで大きく回り過ぎるとインから差されてしまいますが、上手くターンすればもう誰も追いつけないことになります。

6コースに拘る選手の哲学

ルールが厳しくなって以来このような勝負をする選手は今は殆んどいません。なら、どうしてこのようなスタイルを貫くのでしょうか? その原因は、選手が新人の時代は他のベテラン選手に遠慮してアウトコースに入るのが暗黙の決まりになっていることから、なかなか先輩に対してインを主張することが出来ません。時間をかけてインに入って勝負するレースを覚えていきます。でも、地元の先輩や世話になったベテランに対して遠慮もあるので、それが煩わしいため、アウト屋になった選手も多いようです。

ただ、アウト屋になろうと思ってもスタートの上手い選手でなければ決してなれません。フライングせずにタイミングを合わせて絶妙なスタートを切らなければ幾ら伸び足が良くても大捲りは出来ません。だから、それの出来るから阿波選手は絶大な人気があるのです。

ほかにも小川晃司選手、澤大介選手がアウト屋として有名ですが、今ではアウト屋の重鎮になっている小川選手は常にチルト3で捲っていく戦法ではなく、状況によって捲り差しや差しに転じる変幻自在の攻め方をします。沢選手は阿波選手と同期で、カドからの捲りや捲り差しを得意としていましたが、阿波選手の影響もあって6コース一本のアウト屋になったようです。ただ、決まれば豪快な勝ち方でファンには絶大な人気がありますが、勝率は決して良くないのでA級選手にはなれず、重賞レースで優勝出来ないというのが残念です。